109503 ランダム
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おそらのうえで。

おそらのうえで。

*手紙*



 初めて君に

     手紙を書いた。

  メールみたいな

    読みやすい活字なんかじゃ

      ないけどさ

  そっちのほうが

    君に伝わるような

   そんな気がしたんだ。。。 


  *手紙*


 “

    君へ


  僕と君の出会いはごくごく平凡。

  合コン・・・だったよね。

  乗り気じゃなかった君と
 
  乗り気じゃなかった僕。

  なんだかんだで意気投合して

  カラオケで盛り上がってるみんなを横目に
 
  二人して部屋を抜けだした。

   
  
  僕から告白したんだったっけ。

 
  「付き合ってください」

  
  桜並木でだったけ。

  あれでもロマンチックな告白に
  
  したつもりなんだけどな。


  それから

  初めてのデートはお花見行ったよね。

  君が簡単なお弁当を作ってくれて

  すっげぇ嬉しかったの覚えてる。

  ・・・ちょっと味は薄かったけど(笑)


  夏の海のこと覚えてる?

  オレがジュース買いに行ってるスキに

  君がナンパされたこと。


  「ヤキモチやいてる?」

  そういってにっこり笑って

  顔を覗きこんでくる君に

  ちょっと強がってみたけど

  正直、すっげぇヤキモチやいた。
 
  
   
  秋には試験勉強に追われてたよな。

  数学が苦手な君に数学を教えて

  君は僕に英語を教えてくれたっけ。

  ・・・ごめん。

  ほんとは英語、不得意じゃなかった。

  ただなんか・・・

  君に教えて貰いたくってさ。

  一生懸命教えてくれる君をみて

  “オレって幸せだな”って
  
  実感してたんだ。



  冬になって

  何年振りかに積もった雪。

  朝っぱらから君は僕を呼び出して

  二人でおおっきな雪だるま作ったっけ。


  「冷てぇ~っっ」
 

  冷え切った僕の手を


  「こうすると・・・温かいでしょ」


  君の暖かい手が包んでくれた。



 
  別れはささいなケンカだったよな?



  
  「少しは私のことも考えてよっっ!!」


  今、浮かんでくるのは

  君がそう言って

  大きな瞳にたくさんの涙をためて

  走り去っていく姿だけなんだ。

  
  ごめん。

  君に哀しい思いをさせるつもりは

  なかったのに。

  ごめん。

  もっと君のこと

  考えるべきだったんだ。



  あれから半年。

  君は今、何をしていますか?


  僕は今でも

  君のコトを毎日のように考えています。


  何度も電話しようと思った。

  何度も会いに行こうと思った。

  何度も何度も

  君を抱き締めたいと思った。


  でも、一歩踏み出せない僕。

  ごめんな、こんな弱い人間で。


  でも、これだけは

  胸をはって言えるんだ。


  今でも

  君を愛してます。

  

  P.S 君と雪だるまを作った公園に
        今年もまた
      たくさんの雪、積もってます    ”





 


 君の家のポストに

 そんな手紙を投函したあと

 一人、公園で

 小さな小さな雪だるまを

 作ってみたんだ。


 あの時、あんなに楽しかったのは

 こんなにも寒くなかったのは

 やっぱり隣に

 君がいてくれたから・・・かもね。




 「やっぱ さっむぅ~」



 しんしんと降り続ける雪。

 空を見上げて

 冷え切った手に息を吹きかける。






 「こうすると・・・
    温かいでしょ・・?」








 


 「え・・・」









 懐かしい声と共に

 手には懐かしい温もり。

 そして目の前には

 懐かしい君の笑顔が

 あったんだ。







 



 「窓から君の後ろ姿・・・見えたから・・・」




 少し照れ臭そうな君の笑顔。




 「私も・・・ごめんね」




      僕の想いが

   君にちゃんと

         届いたんだ・・・




 「ちょっ・・・何泣いてんのよもぉ~」




 自然と僕の頬を流れ落ちる涙。

 背伸びしてその涙を拭ってくれる君。




 「幸せにするよ?」



 
 それが今の僕の言える

 君へのコトバ。




 「幸せに・・・してよね」




 
 春になって雪が溶けて

 桜が咲いたら

 またお弁当もってお花見に行こうか。


 夏になったら海に行こう。

 もうナンパさんてされないように

 君の隣を離れないよ。

 
 秋になったら

 学生じゃないんだし

 試験もないし
 
 なにしよっか。

 落葉でも集めて

 焼きいもでもやいてみる?


 来年の冬には

 また二人で

 大きな雪だるま作ろう。


 寒くなったら

 またこうやって

 温め合えばいいじゃん。

   

  いつだって

     どれだけ時間が流れても

    僕のキモチは変わらない。



    僕は君を

      誰よりも何よりも愛してる。


    







個人的に手紙はスキ。
メールみたいな機械文字じゃなくって
言葉と違っていつまでも保存出来る。
(言葉も記憶の中に留めておくこと出来るけど)

なんかキモチが伝わりやすいってか・・・
口では言えないこと言えるやん。

手紙一つで
笑えたり
泣けたり
感動出来たり。

なんかスキ。





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bbs

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